ふと思ったロングトレイルの魅力(妄想会話つき) - 2012.07.18 Wed

~オロロン・サンタマリエ~
鉄柵のごとく延々と天を突くような巨大なピレネー山脈を控えるフランス南部の歴史ある町。ここはイタリアやスロベニア、遠くはトルコ方面から通じてピレネーの難所ソンポルト峠へと向かうアルルの道と、ルルドからサンジャンピエードポー(多くのカミーノ巡礼者がスタート地点とする町)に至るピアモンテの道が交差する一大要衝。この町のとある旅人宿でのこと。
そこには、病を抱えた大切な人への祈りのため、半年前にイタリアから歩き始め、スペインのサンティアゴを目指す青年がいた。何かに心を動かされ、フランス東部の沿岸部の町からすでに500キロほど歩いている単独女性がいた。マメに苛まれながらも懸命に歩く夫婦がいた。
私が彼らに聞いたように、彼らも私になぜ旅をしているのかを尋ねてきたので、私は「故郷の日本から古道で世界を繋ぎたいんだ。ほら、このアルルの道をずっと東に伸ばすとトルコに至り、そこからシルクロードでつながるでしょ。」とありのまま答えた。
彼らは「You are crazy!」と笑う(笑)そして私も「You too」と笑って返す。だってみんな私には想像もつかないような背景の持ち主ばかりだし。
閑散とした大地にたたずむオアシスのような町で繰り広げられるこんな会話、そして時間が大好き。そして翌日はお互いの栄光を祈りながら散っていく。
こんな光景、いつか紀伊半島でも見られたらなぁ。例えば、熊野古道の分岐がある那智勝浦あたりでバックパック背負った旅人が集い、「君、明日はどちらへ?」「私は那智山から大雲取越、小雲取越を経て本宮まで行くよ」「うわぁやるねぇ~きっついぜ~!ただ、ものすごく神聖で素晴らしい道だし熊野川見えたときは感動だよ~」「あなたは?」「僕はゆるりと海を見ながら大辺路を…」
なんて会話が繰り広げられたら何て楽しいんだろ~?(ただいま、妄想中~)
ロングトレイルをあらゆる視点で体験する人がもっと増えたらいいな。
スポンサーサイト
● COMMENT ●
トラックバック
http://caminottynabi14.blog40.fc2.com/tb.php/691-cd3c3621
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)