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2017-05

熊野市井戸川の様子 - 2011.10.13 Thu

10月4日、JR熊野市駅から熊野の山間部の集落、赤倉まで徒歩で行ってきました。目的は、今回の台風12号で車道の寸断によって一時孤立した赤倉に必要な物資を届けたいにしえの生活道を調べることと、土石流の被害に遭っているのにほとんど報道されていない井戸川の状況を確認することでした。総距離およそ16km、およそ5時間の行程でした。熊野市駅から井戸町に出た後、熊野市街地と神川地区を結ぶ県道34号線を瀬戸地区まで進み、瀬戸地区からは古道に入ってかつての「一ノ水峠」を越え、赤倉に至るルートです。井戸町付近も井戸川氾濫でかなりの冠水がありましたが、市街地ということもあり、土砂や泥はほとんど取り除かれていました。しかし市街地を離れて上流部へ行くにつれ、土石流の爪痕の凄惨な光景が徐々に目立ってきました。


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熊野市駅を出発!!

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復旧作業中の紀勢本線井戸川鉄橋 10月11日に開通しました

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県道34号を山手へ歩いていきます

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氾濫した井戸川沿いの畑には土砂が積もり、このような姿に・・・

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井戸川沿いの神社

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土砂に破壊されたブロック塀


以下、井戸川の中流の様子

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こんな時でも直売のみかんを置いてくださる人がいる

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大馬神社への道の路肩

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土石流につぶされた軽トラック

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大馬神社への道を右側へ見送ると間もなく瀬戸の集落が見えてきます。斜面に築かれた幾重もの石垣と棚田が見られる昔ながらの熊野らしい集落です。ここから赤倉へ至る一ノ水峠越えの古道が始まります。県道34号からは井戸川を越える小さな橋は土石流により半壊していました。付近の川に臨む家屋も倒壊しかかっています。里の棚田を縫う急な坂を登ると山道に入ります。山中にもかつての棚田跡が残っており、地形図に記してあるかつての古道との境が一部わかりづらかったので、周りの地形、そして地形図とのにらめっこ時間がしばらく続きます。ようやくしっかりとした踏み跡を見つけ、徐々に高度を稼いでいきます。瀬戸側の古道は若干倒木はあったものの、とくに台風被害を受けている感じはありませんでした。昔から自然災害にあっては修復し、そしてまたそれをくり返し…この流れでいにしえの道は今に生きているのです。


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瀬戸集落の一部 民家の間近を土石流が・・・

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瀬戸集落の川沿いの家

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一ノ水峠越えの古道へはこの橋を渡る

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美しい瀬戸集落の棚田

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古道 きれいに道が残っています

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林道交差点に出た~!


瀬戸の集落を後にしておよそ1時間半後、一ノ水林道との合流点に出ます。ここでほっとひと息行動食タイム~。林道を峠方面に1kmほど歩くと一ノ水峠への古道入口が左側にみえてきます。ここから峠まではしっかりした石畳が残っています。およそ30分ほどで、お地蔵さんたたずむ一ノ水峠に到着。この峠は以前にも歩いたのですが、何か様子が違う。お地蔵さんのとなりにある木の根本が半分浮いている… 峠北側が大きくえぐられていたのです。こんなところにも台風は大きな爪痕を残していました。そして赤倉側に下るにつれ、さら大きな衝撃を受ける光景が次々と私たちの目に飛び込んできました。

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一ノ水峠直下の石畳道

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一ノ水峠の地蔵とはるか下の瀬戸集落

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瀬戸集落はどこから見ても美しい


一ノ水峠から赤倉への下り道は、沢に沿ったきれいな石畳が残っています。沢にはもともとガレ場がありましたが、徐々にそのガレの量が半端ではないことに気づきました。そうです、この沢でも大きな土石流が発生していたのでした。下の方に行くと石畳道は土砂にすっかり飲み込まれ、その土石流は一ノ水林道までをも寸断してしてしまい、林道交差点にあった水呑地蔵は跡形もなく消えていました。その景色を私たちはただただ呆然とたちすくんで眺めるのみ。一体誰が何のために…いや、これは誰の所為でもない…理不尽なんだけれども理不尽とすらも思えない、ぶつけようのない衝撃や憐れみを胸の内に抱え込むことしかできませんでした。


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土石流の飲まれた赤倉側の石畳

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土石流に遮断された一ノ水林道と一ノ水隧道

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林道交差点から先は、沢に沿う古道が赤倉まで続いているので、そこを辿りながら歩きました。しかし、この沢自体が土石流に覆われてしまっているため、古道は跡形もありません。とりあえず沢から離れないように下流部へと歩いていきます。人工的に護岸された川底にはおそらく藻が繁っていたと思われますが土石流ですべて押し流され、道路と間違えてしまうほどに何もありませんでした。そしてその先にはぐにゃりと鉄筋がむき出しになった砂防ダムとこれらの土砂の衝撃でこなごなに砕かれた護岸コンクリートが散乱していました。

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これ、川です・・・すべてが洗い流されて川底がきれいに見えています


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このような状態の中を歩くこと1時間でようやく石畳を伴う古道を見つけることができました。道は再び一ノ水林道に合流し、ここから先は徒歩30分ほどで赤倉の里に入っていきます。里に着いた頃は14時を過ぎていてさすがにお腹がぺこぺこ。ここで大阪から移住したロッククライマー夫婦が営む「ちゃや」の名物の「ジビエカレー」と無農薬自家製で心とお腹を満たしました。

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ようやく赤倉の里へ出ました

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この後は、友達が取材のために写真家や編集者との打ち合わせがあったので私たちもそれに同行していました。赤倉の里にはいつもの秋と変わらずヒガンバナが咲き誇っており、熊野の里を照らしていました。自然界からすればいつもと変わらぬ秋、しかし私たち人間から見ると、自然の牙、その中で生き続けた道と人への再確認など…あらゆる意味で考えさせられることが秘められた特別な秋となりました。


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● COMMENT ●

No title

あれから一ヵ月程…まだまだ痛々しい光景が残っているんですね。古道の復旧は時間かかりそうですね。
こちらでも殆ど報道されないのでうえのってぃさんの記事は熊野古道の現状を知る上で大変貴重です。
そういえば土砂ダム…大丈夫なのですか?
最後に出て来た美味しそうなカレーに少し癒されました。

>あっこさん

あっこさん、お久しぶりです~
こちらは、人が住んでいる場所はボランティアのお陰でかなり復旧していますが、まだ人目のな居場所では無数の土石流跡が残っていますm(__)m

三重県内の熊野古道は一部をのぞき被害もほとんどないので、いつかいらしてくださいね!カレーぜひ食べにいきましょう☆


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三重県紀北町在住。歩き旅人&旅イラストライター&ガイド

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